2006年以前の句 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年
2014年

空音の日句帖

2012年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
       
2012年1月6日 ほろほろとガム噛におりぬ凍夜かな
2012年1月7日 ヒロシマフクシマ遠き指の冷え T
ヒロシマフクシマ冬の谺でしょうか
2012年1月13日 水仙や道人顔が覗き込む T
2012年1月15日 雪豹や父の如くに死を抱く T
着膨れてそのまま逝くもまたよろし
2012年1月17日 僕という現象あいまい眠る山
2012年1月22日 雪の青みに沈潜しつつ雪を掻く
降る雪や無口なりけり民草は T
凡夫と言う人凡夫である人闇夜汁
狐火のちろちろリーダー待望論
2012年1月27日 あの人達雪の樅群れている
2012年1月29日 冬空のうすき日わたし 燃ゆ
2012年2月1日 冬猫寝そべる永遠が俺のもの
2012年2月2日 堆積してゆく白の怖れ死というもの
2012年2月4日 梟鳴く、で、僕って結局死んじゃうの
2012年2月5日 裸の木おら雪なんかいらねえ
2012年2月11日 知らず知らず歩いてきた穴惑い T
2012年2月14日 雪掻く人影だんだん墨絵になってゆく T
2012年2月14日 逃水のよう無言の妻遠くへ T
2012年2月17日 列車のごとく春山のありごとごとごと
2012年2月24日 悠久の光る死体や春の雨 T
2012年3月1日 旅立つコハクチョウに陽の頬擦り T
2012年3月17日 下痢気味かな春の泉を飲んでから
2012年3月18日 土間口とは春星の訪うところなり T
2012年3月20日 義歯のいのちよ我は汝をとりはずす
2012年3月23日 わが森の祖霊の空に帰る鶴 T
2012年3月28日 春キャベツ芯のところで笑っている
2012年4月10日 大き手に掬われている春の花 T
日も鳥も人も祈りも水の春 T
2012年4月13日 地蔵菩薩に春光は女体なり
2012年4月18日 空き家の庭に亡婆(ばあ)の声韻蕗っ玉 T
2012年4月19日 白鳥去れば銀の涙のゆく河や
2012年4月20日 誰もいない花咲く誰もいない街 T
2012年4月21日 犬族の遠吠え たまり水に水輪
2012年5月1日 古草の露のぐじょりやむらぎもや
春の花花擦過するよう走るよう
連翹の単純な黄に近づきぬ
2012年5月5日 花に人に産湯のような雨がふる T
2012年5月15日 砂に印すわれらという語金環食 T
2012年5月21日 フクシマ以後青葉若葉の涙かな
2012年5月23日 金環食鏡を去りてより幾日
日食去りフクシマ去らぬ鏡かな
2012年5月23日 虎鶫鳴く森閑がまたやって来る T
2012年6月1日 名を知らぬ花の辺(ほとり)を往き来かな T
2012年6月2日 六月の吾は毛なしの褻好きかな
2012年6月5日 「死ねば別れ」は幻想ならん鵺の声
2012年6月11日 藷苗に鎮魂の雨夏の雨 T
2012年6月13日 人参蒔くこの温き地や妻の胎
2012年6月14日 シーンカーンぬばたまの夜の虎鶫
2012年6月15日 夏の朝露じゃがいもは元気だ
淋しそうノッポの赤バラ塀の傍
2012年6月21日 汚染地帯不動の森とけものみち T
2012年6月22日 汚染池蛙とび込む風の音
2012年6月23日 黴の季節むかつく原発再稼働
2012年6月24日 葱坊主に蝶二匹かな宇宙船 T
2012年6月27日 夜だ 笞のごとくに鵺の声
2012年6月29日 蝦夷春蝉ヒトは大地があれば生く T
2012年6月30日 太陽の唾だか汗だか飛び散るよ
向日葵咲くここは太古の海である T
2012年7月7日 黒南風や原子力発電所は鉄の男根 T
2012年7月8日 原発よ夏野は淫蕩じゃない T
2012年7月10日 生きてあれば拍手喝采栗の花 T
2012年7月12日 小さき蛾よ遺伝子プールという言葉
2012年7月20日 立葵時間の軸をのぼりゆく T
2012年8月2日 ロンドンオリンピック開会式
人類という一場の夢に木槿咲く
今も昔も石ころ一つ夕日の前 T
2012年8月7日 八月六日八時十五分山鳩鳴く
2012年8月8日 原発許すまじ許すまじとて秋の灯(ともし) T
2012年8月17日 (なまなま)と緑の体ありにけり
葉擦れより蜂なども来て秋の昼寝
とんぼの上とんびその上雲の峰 T
2012年8月31日 青空に赤丸一個おちていた
2012年9月15日 秋暑し首相喋れば愚かな風
2012年9月18日 結論を言えば神の遊びです秋思 T
2012年9月20日 星座見えて同居人蟋蟀鳴きやまぬ T
201210月5日 みながみな利口に見える赤まんま
原子炉に糞でも落とせ渡り鳥
201210月9日 原子炉も狸親父も寒露の中 T
201210月10日 少年の落日今も赤まんま
201210月12日 朝日射す老人にそして麦の芽に
201210月13日 快楽(けらく)かな藷食いながら藷を掘る T
201210月17日 藷ばかり食うて笑うよ山国は
201210月22日 鳥語浴びればわたしは光るひかる秋 T
鳥の声浴びればうれし秋光る
201210月23日 感情のきれいに溜る紫苑かな T
201210月24日 感情のきれいに静か陽の紫苑
201210月28日 猫眠る厨の窓は紅葉明り T
201210月28日 秋思とはふと階段で立ち止まる T
輪の巫女等手を挙ぐ満月作るため
満月の作り方を君は知らない原発村
201211月1日 水飴のごと秋の夕陽の垂れるかな T
かつて夕陽僕の時計に垂れしかな
201211月2日 (げ)の国は嬉し愉しや股大根 T
201211月5日 猫とふたり屋根裏部屋で冬に入る
201211月9日 あまたなる栗や柿得て冬に入る
201211月11日 葱甘き大根甘き山の国
201211月13日 はつふゆはりゅうりゅうとして鳴く鴉 T
一時間後に矢張りオリオン昇りけり
201211月14日 死の怖れ黄落の誰もいない街
さわればニャーさわればニャーや冬の猫
201211月14日 うす雪さんは里に眠りの魔法置く T
201211月15日 岸辺にて大根洗うも微光なり
201211月26日 日向ぼこコーヒーの湯気千万年
201212月5日 寂しとは意地でも言わぬ枯れ黄菊
201212月6日 菊の黄と吾の黄のみや枯れの中 T
山住まい影を失い冬に入る
201212月7日 冬の朝日本の米を食っている
201212月8日 小出裕章氏
荒星や彼の清潔に喋る人
201212月9日 小出裕章氏
酒を飲み星々を飲む冬の義人
201212月12日 着膨れて吾(あ)は山脈(やまなみ)に連なるなり T
201212月14日 ムンクだろか冬陽の道まっすぐ T
201212月15日 寒雷や政治家の言い訳には似ていない
201212月16日 雪の下の埋れた黄菊に出会いけり
201212月17日 人に会わず禿山に会う冬の里
201212月18日 言葉現(あ)る冬芽現(あらわ)る岸辺かな T
201212月24日 降る雪に眼差しあると思いけり
201212月27日 猫と二人猫語で喋るストーブの前
201212月28日 桶の底抜けてほっかり冬の月 T
201212月2日 風の誘惑わずかにありて冬の散歩







俳諧寺